Morino Reportモリノレポート
災害時に実は孤立 働き世代の女性に防災知識とつながりを~防災カフェ~
公開日:2026年03月06日
カテゴリー
備蓄・グッズ / 地域防災 / 女性 / 災害情報 / 自助・共助 / 避難・避難所
▲(左から)代表 北村育美 武田ゆり
「働き世代の女子防災プロジェクト」の活動について
働き世代の女子防災プロジェクトでは、働く女性を対象に仙台で「防災カフェ」を開催しています。防災に関する知識や経験を交えながら、災害への不安や疑問を共有し合い、地域から孤立しがちな働く女性の不安を少しでも軽減すること、つながりを作ることを目的に活動しています。災害が発生した際には、「防災カフェ」の参加者向けにSNSチャットで安否確認やたすけあえる環境も整えています。また、「防災カフェ」以外には、講演やワークショップ、雑誌の取材を通して、災害への備えについて情報を発信しています。例えば、他の団体が開催するイベントに参加して活動紹介をしたり、雑誌の取材で「防災ポーチ」を作るワークショップについて取り上げていただいたこともありました。
今回は、元々、参加者だった武田さん(上の写真右)を講師に迎えて、2025年12月20日に「被災をリアルに想像してみよう!」というテーマで「防災カフェ」を開催しました。
「防災カフェ」を始めたきっかけ
以前に福島県に住んでいた際、福島県沖地震を2度、台風19号による水害を1度経験しました。以前から災害対応に携わっていたにも関わらず、地域とのつながりがなく、一人暮らしで大変不安で心細い思いをしました。同じように不安を抱える一人暮らしの女性はきっと多いうえに、仙台市は転入者が多く、地域とのつながりがない人も多いと思います。災害時には、地域でたすけあうと言われていますが、普段から地域とのつながりがなく、災害時に孤立しがちな女性の支えになりたいという想いで、「働き世代の女子防災プロジェクト」を立ち上げ、「防災カフェ」を始めました。
今回の「防災カフェ」のテーマは「被災をリアルに想像してみよう!」
「防災カフェ」を初級、中級、上級のような段階的なプログラムとして考えています。これまではテーマを決めずに防災に関する話し合いや防災ポーチづくりなどで防災の基礎を学んできましたが、今後は発展して、最寄りの避難経路や避難時に気を付ける場所を確認する「防災まち歩き」を企画したいと考えています。
今回はその「防災まち歩き」の前段階として、「実際に災害が起きた時、自分はどう動くのか」をリアルにシミュレーションする機会を作りました。震度6強の地震が発生したと想定し、自分が置かれた状況(場所や時間)を示すシチュエーションカードを引き、与えられた状況から地震発生から24時間後までの行動を考えるというワークショップになります。参加者は、地震発生後の公共交通機関の運行状況やインフラの供給状況などを想像し、移動手段や情報収集の方法、自宅にある備蓄品の活用の仕方などを共有しました。
その中で、自分が考える行動でどうしてよいかわからないことや備えの不足に気づいたりすることができます。また、参加者からは自然と、東日本大震災で経験した話が出てきて、当時、持っていて助かったものや、反対にあるとよかったものを、幅広い世代で情報共有することができました。ワークショップ前後には「安心CHECK LIST」で地震発生時の不安なことを書き出してもらい、ワークショップを通した変化を感じてもらいました。
このほか、参加者には震度やマグニチュードの知識、ハザードマップなどの防災に役立つ情報も提供しています。「防災カフェ」では毎回、異なるテーマを扱っていますが、どんなテーマにおいても、防災について普段から考え続けることは難しいですが、「防災カフェ」をきっかけに少しでも備えなどの行動につながるといいなと考えています。
「防災カフェ」を通して得たこと
当初は、「働き世代の女性同士のつながりを作ること」「災害時に助け合える関係を築くこと」を特に重要視していました。しかし、活動を続ける中で、地域の方から「地域はいつでも開かれているから、もっと頼っていいのだよ」という言葉をいただきました。これをきっかけに、地域とのつながりや接点も積極的に模索していきたいと考えるようになりました。この考えは「防災カフェ」の中にも広がっていて、実際に参加者が地域の七夕づくりに参加するなど、地域コミュニティに一歩踏み出す姿もありました。
「防災カフェ」でのやりがいについて
「防災カフェ」をきっかけに参加者が地域活動に参加したことや、参加者間のSNSチャットを利用して継続的に防災に触れることで、1人では難しい防災意識の維持につながっていることにやりがいを感じています。さらに、今回のように、参加者が講師として運営側に携わるようになったことも大きなやりがいです。知識を持つ仲間が増えていく循環が生まれていることを嬉しく感じています。
「働き世代の女子防災プロジェクト」の今後の展望について
今後は、防災の知識を持つ人を増やし、災害時の不安を軽減していきたいです。そのためには、災害時にたすけあえるつながりが必要です。特に、「防災カフェ」の参加者をもっと増やして、防災を考える上で困ったら思い出してもらえる場所として、「みんなで支え合いながら考える防災」を広げていきたいです。働いていて地域とのつながりが薄い女性、災害が不安だけど何から用意していいかわからない人、ただ知識を得るだけでなく、人とのつながりも求めている人など、そんな方と今後も関わっていきたいです。
快適で強靭な防災環境都市を目指して20字