防災食としての乾物を広めていく~乾物防災食講師~
公開日:2025年12月08日
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日頃、どのような活動をしているのでしょうか?
わしん倶楽部では、防災をもっと身近に、そして「楽しく」学んでもらうことで、自分の身は自分で守ることを伝えています。防災を「楽しく」と表現することに驚かれることもありますが、ここでいう「楽しく」は前向きに考え、主体的に行動することを意味しています。防災という言葉は、「難しそう」「堅苦しい」と感じる人が多い中で、ゲームやワークショップを通して、自然に関心を持てるようなきっかけづくりに取り組んでいます。例えば、災害時のあらゆる場面で正解・不正解のない質問を考える「クロスロード」、AEDや胸骨圧迫を学べる「PUSH」、災害啓発体操の「歩一歩(ほいっぽ)たいそう」、そして、乾物を使った防災食を通して、防災や日々の備えについて啓発を行っています。今回は、仙台市消費生活センターからの講師派遣の依頼を受けて、2025年10月31日に第3回仙台市消費生活講座「乾物でおいしく備える!家庭でできる防災食の知恵」というテーマで講演を行いました。
今回、講師派遣に至った経緯を教えてください。
仙台市消費生活センターより、防災と食品ロス削減につながるよう、乾物防災食を広める目的で講師派遣の依頼がありました。わしん倶楽部はホームページを持っていないため、講師派遣の依頼を受ける際には、元々つながりのある方から依頼を受けることが多く、中には口コミや紹介で知って依頼いただく場合もあります。最近では、「防災環境都市・仙台 モリノカレッジ」をきっかけに依頼を受け、仙台市聴覚障害者協会さんが主催のイベントに講師として参加したこともありました。令和6年には50件ほどの依頼を受けており、幼児から高齢の方まで、幅広い世代に対して、講演を行っています。わしん倶楽部の活動は、tbcラジオを通してもPRしています。放送は毎月第4週目の月曜日15:10-15:25頃で、「クロスロード」をご紹介しており、お聞きになった方ともつながれることを楽しみしています。
数ある防災食や備蓄方法がある中で、「乾物」に着目された理由はどのようなものでしょうか?
私が食べることが好きということもありますが、背景に東日本大震災の経験があります。スーパーの棚からカップ麺は消えてしまったのに、乾物コーナーの物は手つかずの状態で残っていたのを見ました。その光景に「同じ乾物なのに、どうしてこんなに扱いが違うのだろう」という疑問を抱いたことから、防災食としての乾物を広めていきたいという想いに至りました。乾物は保存性が高く、少しの物で調理できることから、「フェーズフリー」や「ローリングストック」の考え方に合っていて、災害時には「いつも通りの食事」ができます。
学生は乾物と聞いても、ピンとこないことが多いですが、実際に乾物を紹介すると身近なものであると気づいてくれます。
これまでの講師派遣で、特にやりがいを感じた瞬間や、印象に残っているエピソードがあれば教えてください。
講師を務めることを含め、何か新しいことを始める時、周りから「やってみよう」という声がけや、参加者の「笑顔」が活動の原動力になっています。講師を行う中で疑問を持つこともあり、その時には受講者からの一言一言で、私が学ばせていただくこともあります。以前、クロスロードを使った防災授業に参加した児童のお母さんから、こんなお便りをいただきました。授業の後、お子さんが自宅に帰るとすぐに非常持ち出し袋を自ら作り始めたそうです。さらに、親子でクロスロードの内容について話し合い、「このクロスロードをもっと広めたい」と感じたと書かれていました。そのお母さんは「今まで体験した震災のことを思い出したくないため、防災に関することを避けていましたが、子供のためにと思い、防災に触れるようになりました。」という「防災」に対して「心の被災」を感じていらした方が、このように「前を向ける」きっかけになった瞬間がやりがいにつながり、今でも強く印象に残っています。
「わしん倶楽部」の今後の展望を教えてください。
防災や減災の意識を社会に根づかせるためには、継続的な取り組みが欠かせません。「防災は誰かが教えるものではなく、みんなで考え、支え合うもの」と考えています。次の世代の柔軟な発想を持つ若者たちは、活動の新しい力であり、地域社会を支える存在としての活躍が期待されています。「防災を前向きに考える文化」を次の世代へつなぐために、若者たちに「ファシリテーター」を担ってもらえるよう活動を続けていくことが私たちの役割だと思っています。わしん倶楽部は、これからも地域の人々と協力しながら、「誰かに話したくなる防災教育」を合言葉に、地域の人々と一緒に防災の輪を広げていきたいと思います。
快適で強靭な防災環境都市を目指して20字