「くらし」を考え「もしも」に活かす〜「くらしともしものブックトレイル」の取り組み
公開日:2025年11月25日
カテゴリー
備蓄・グッズ / 文化 / 自助・共助 / 防災教育 / 食
「くらしともしものブックトレイル」とはどんな活動でしょうか?
くらしともしもの研究所では、日々のくらしを災害の視点から捉え直し、一人ひとりが知恵と工夫で楽しく生きるための研究とその成果を届けています。活動の一つ、「くらしともしものブックトレイル」は、移動式のミニ図書館のようなスタイルで、「くらし」にも「もしも」にも役立つ本を紹介しています。2025年7月23日に、せんだいメディアテークで行われた、音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設のプレ事業「こどものためのピクニック♪コンサート」にブース出展しました。コンサートの合間の短い時間になりましたが、多くの子連れの方に日々のくらしの工夫や家での防災の取り組みについて本を通してお話を伺いました。
「くらしともしものブックトレイル」ではどんな工夫をしていますか?
くらしともしもの研究所の取り組みを広く市民に知っていただくためのきっかけとして、「くらしともしものブックトレイル」が各所に出張してPRをしています。
「くらしともしものブックトレイル」の特徴の一つに選書があります。防災や減災をテーマにすると「防災マニュアル」などいわゆる防災本を選びがちですが、私たちは普段の生活を見直したり、防災や減災に新たな視点を与えてくれそうな本を選んで、防災意識があまり高くない人にも関心を持ってもらえるように工夫しています。もう一つの特徴は、トレイラーのデザインです。仙台市内で行われているイベントや施設にも設置できるようにトレイラーに車輪がついており、気軽に移動できるようにしています。
「くらしともしものブックトレイル」を始めたきっかけを教えてください。
私(桃生)自身は元々、防災意識が高いとは言えない人間でした。ただ、自然災害を含めた「もしも」は誰の身に降りかかることで、人ごとではありません。「もしも」に備えるきっかけとして、普段の生活の見直しから考えることで無理なく防災につながる取り組みができると思いました。「くらしともしものブックトレイル」は、そんな問題意識から生まれたプロジェクトの一つです。本という入口をきっかけに、少し立ち止まって自分の「くらし」について改めて考える。そして、それが「もしも」にもつながる。そんな人が一人でもいたらうれしいですね。
「くらしともしもの研究所」の今後の展望を教えてください。
くらしともしもの研究所の取り組みは、仙台市の災害文化、あるいは2031年に完成予定の音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設に紐づいています。「災害文化」をどうやって根付かせていくかをテーマに、補助線を引くような取組みを行っていきたいと思います。防災はみんなに共通する「答え」はなく、それぞれの「答え」を自分で導き出す。そのための「問い」を投げかけるような本を「くらしともしものブックトレイル」を通して、紹介していきたいと思います。
快適で強靭な防災環境都市を目指して20字